農薬不使用ササニシキができるまで【代かき】
耕起作業が終わると田んぼに水を入れ、田植えに向けた準備が始まります。ハローと呼ばれる作業機をつけたトラクターで土を砕き水となじませる「代かき(しろかき)」と呼ばれる作業です。
代かきは、田んぼを田植えができる状態にする作業であり、除草剤を使わない農薬不使用栽培では草を減らすことを意識して行う作業でもあります。


5月20日以降の田伝むしの田植え時期になると暖かい日も増え、作業をしていると暑いと感じる時もあります。このような温度になると草の発芽や成長も進むので、最初の除草はなるべく早く田植え後1週間以内にはしたいです。ただし、田んぼに植えられた稲が根付かないと除草作業で稲を倒したり抜いたりしてしまうため、こちらの希望通りにならない時もあります。そこで田植え3日前の植代が大事になってくるのです。荒代で一度草を減らした後、植代でもまた草を減らすことで、最初の除草作業に入れるまでの草をできるだけ抑えておくのです。
もう1つ草の生え方に影響するのが植代の時の水深です。田んぼの土が見えないくらい水をはり、水を混ぜるようなイメージで代かきをするとその後草が出にくいという農家さんが多く、私たちも作業をしていてそのように感じます。水がたくさんある条件で土を混ぜると、大きな(重い)粒の土は先に沈み、非常に細かい土はゆっくりと時間をかけて沈んでいき、その途中にある草の種が土でふたをされるからという話を聞きました。まだ試行錯誤中ですが、色々やりながら水深と草の出方の関係を調べていきたいです。
草の出る出ないは田んぼの場所や年度によって違いますが、一つの作業をするときはどうしたら草を抑えて稲が元気に育つかということを考えて行っています。作業とその後の田んぼの様子を合わせてどんな作業の仕方が良いのか考えるのは難しくもあり楽しい部分です。

2017-01-23 | Posted in 田伝むしの農作業 | No Comments »